天満橋駅の北側に開港する「八軒家浜」船着場は、そのような地理的・歴史的背景を活かし、水都・大阪のシンボルとなる景観と賑わいを持つ水陸交通ターミナルとして整備されました。京阪天満橋駅の改札と直結するエントランスもオープンし、まさに“改札を出たら船着場”という表現がピッタリです。
またその周辺に、大川を間近に望むことができる遊歩道も整備。昼間はのんびり川辺を散策できる憩いの場として、美しくライトアップされる夜はロマンティックな水辺スポットとして、訪れる人々を癒してくれそうです。
大阪最古の洋風建築「泉布館」を訪ねる
明治初期の桜ノ宮一帯は、大阪豪商の舟遊びの地だったそうですが、明治政府は大川に面したこの地に、新しく近代的な造幣寮(現在の造幣局)を建てました。造幣寮は貨幣の製造のみならず、化学・機械といった近代産業や、洋装・ザンギリ頭など近代文化の先駆けとなった土地。大阪の文明開化はここから始まったといってもよいかもしれません。
泉布観は明治4年(1871)、造幣寮の応接所として建てられた、現存する大阪最古の洋風建築です。泉布観の「泉布」は「貨幣」、「観」は「館」という意味で、明治天皇が行幸した際に天皇自身によって命名されました。明治初期の洋風建築の特徴を色濃く残すこの建物は、昭和31年(1956)という早い時期に、国の重要文化財に指定されています。
建物の主な特徴は、煉瓦造(れんがぞう)であること、建物の周りにヴェランダをめぐらした「ヴェランダ・コロニアル」形式であること、内部は天井が高く、ガス灯時代の照明器具が使われていることなどが挙げられます。2階からは直接ヴェランダに出ることができ、トスカナ式と呼ばれる太い柱とともに、異人館のような雰囲気を醸し出しています。東側のヴェランダからは、木立の向こうに大川を望むことができました。
室内でとくに印象的だったのが、2階北西室。楕円形の大きな鏡がデザインに組み込まれた暖炉が存在感たっぷりに鎮座しています。それから、ペンキで描かれた床の市松模様にも目を奪われました。これはタイルが高価だった当時、その憧れを表したものといわれています。
造幣局や泉布観のそばに架かる桜宮橋(銀橋)から天満橋までの南北は毛馬桜之宮公園で、これからの季節、絶好の散策ルートになります。早春の風とともに楽しめる「泉布観」見学、みなさんもいかがですか?
水上バスに乗って、大阪・梅の名所めぐり
入り口
梅林に到着すると、年配のご夫婦や修学旅行生、ビジネスマン風の男性など、たくさんの人で賑わっていました。園内は爽やかな香りがほのかに漂っています。 寒紅梅や冬至梅、八重野梅など、早咲きの梅はほぼ満開で見頃を迎えていました。全体では3~4分咲きくらいでしょうか。これだけ素晴らしい梅が見物できて入場無料は嬉しいですね。満開時にもう一度行ってみたいな。
アクアライナー
アクアライナーは全席指定。私が乗ったコースは大阪城港を出港し、天満橋港、淀屋橋港に立ち寄り、大阪天満宮の最寄港であるOAP港へと向かう約40分のクルーズです。船はOAP港に立ち寄ったあと大阪城港に戻りますので、乗り過ごさないように気をつけてくださいね。 左側の席に座った私は、窓の外の風景に釘付け。ここから見えるビルは、土佐堀通り沿いに建つビルの裏側にあたります。人気ティールームの北浜レトロや、難波橋のライオンもみんな背中を向けています。土佐堀川をのぞむガラス張りのオシャレなカフェも見つけました。
アクアライナー
満潮時でも安全に橋をくぐることができるよう、船の天井部分は30cmほど下げることができる仕組みになっています。最も下がったときの高さは水面からわずか1m30cmほどなのだそうです。
船は淀屋橋港に寄港後Uターンして、中之島東端(剣先)の地形をたどるように進んだあと、OAP港へ向かって川をのぼっていきます。
「大盆梅展」では、甲州野梅、白加賀、思いのままといった約20種約100本の盆梅が鑑賞できるほか、夜間拝観日にはライトアップや大正琴・神楽などのイベントも開催。中庭の梅を眺めながら、九州・大宰府直伝の「梅の木餅」や「梅昆布茶」がいただける喫茶スペースもあります。
「大盆梅展」は、書院造の参集殿という建物で開催されていました。盆梅とは鉢植えされた梅のことですが、その鉢という制限のある空間で繰り広げられた野趣あふれる枝ぶりは生命力に満ち、見ごたえたっぷり。
中之島を北へ・福島「売れても占い商店街」を歩く
この商店街の道筋は、福島聖天 了徳院への参拝道として古くより発展してきました。また、明治期の「大坂みち」(後の大和田街道)にあたり、西天満と尼崎を結ぶ重要な物流道路で荷車や人の往来も多かったそうです。昭和初期には北大阪随一の盛り場となり、戦前は心斎橋筋、九条新道、十丁目筋(現・天神橋筋)と並んで大阪の4大商店街と称され、“北の心斎橋”とも呼ばれていたとか。戦後、一時は衰退したものの、“占い”で今再び賑わいを見せるこの商店街。どんなところか期待が高まります。
「売れても占い金曜館」・・・毎週金曜日
「売れて売れても占いデー」・・・毎月第4金曜日
アカデミックエリアの穴場スポットをハシゴする
大阪市立科学館
ミュージアムショップで大人気の宇宙食。フリーズドライされたキムチ、たこ焼き、アイスクリーム
プラネタリウム
フランスの有名メーカー、キネット社の特注品というリクライニングシートの座り心地も素晴らしく、目の中に飛び込んでくるのは満天の星空。ソファに身体を深くうずめていると、まるで自分が宇宙空間にいるような気持ちになって、すっかりリラックスしてしまいました。
大阪大学中之島センター
サロン・ド・ラミカル
建物内に一歩踏み入れると、受付カウンターの方が「総合コンシェルジェ」だったり、すぐそばにリーガロイヤルホテルのケータリングサービスが受けられるラウンジ・スペースがあったりして、まるでホテルのような雰囲気。ここでは大阪大学の前身である懐徳堂・適塾の紹介コーナーや社会人向け公開講座の案内などの情報を集めることができます。
スタッフの方に館内を案内していただきました。まずはシックな色調とインテリアでまとめられた9階の「SALON DE L’AMICAL(サロン・ド・ラミカル)」へ。ディナー時はリーガロイヤルホテルのシェフが腕を振るうコースメニューがいただけます(要予約)。そしてサロンの奥には、革張りソファと大理石のテーブルが置かれた会議室がありました。クラシカルでありながら堅苦しくなく、ゆったりとした雰囲気の中でリーガロイヤルホテルのシェフによる料理が愉しめるので、懇親会、謝恩会、同窓会、披露宴の二次会・・・いろいろな使い方ができそうです。
その他、社会人向けロースクールや法学部の現役学生さんの演習の場となる模擬法廷、 色々なパーティーや演奏会にも活用できる佐治敬三メモリアルホール、 どこかのカフェと間違えそうなほどおしゃれな色使いの自習室・・・ どのスペースもシンプルで機能的なところが印象的でした。 外観からでは判りませんが、ここでは何と館内の全室でTV会議システムや 遠隔講義システムが利用できるとお聞きしてびっくり。 センター内の全施設は無料会員登録したあと、インターネットや 電話で予約をすれば、阪大関係者でなくても誰もが格安で利用することができます。
大阪中央卸売市場を歩く
安治川越しに大阪市中央卸売市場本場を臨む
水産物・青果・加工食料品などを全国各地から入荷して、大阪やその周辺都市へ供給します。海外からもさまざまな食材がやってくるそうで、現代人の多彩な味覚と食生活の豊かさを垣間見ることができます。
果物卸売場 はっさくのせりの様子
昆布屋さんの店先。八軒家に関する冊子も配布されています。
お次は別館の展示ホールで、開設当時から現在までの市場のジオラマを見ながら係員の方に市場の歴史をうかがいました。昭和30年代後半から40年代の本格的なトラック輸送の時代を迎えるまで、大阪湾から安治川をさかのぼって数多くの貨物船が大阪市中央卸売市場の岸壁に横付けして荷揚げを行ったり、敷地に国鉄の線路が引き込まれ、貨車で運搬されていたそうです。
市場内を忙しそうに走るターレットという小型の運搬車やフォークリフトなどのジャマにならないように移動しながら、いよいよ最後の見学場所、野菜仲卸売場に向かいます。120店舗ほどの仲卸売場が連なるこの場所も、せりはすでに終わっていましたが、出荷を待つダンボールたちがうずたかく積みあがっていました。 最後に研修室で早朝のマグロのせりの様子をビデオ鑑賞。その雰囲気を味わいました。大量のマグロが一面に並べられた卸売場は圧巻です。今回、見学ツアーで市場を歩き回って思ったのは、一生懸命働いている大人は本当にカッコイイ!ということ。子どもたちに見せたい、大人たちの素敵な背中でした。
あちこち歩き回ったので、おなかが減ってきたみたい。 というわけで、散策の締めくくりは、市場の正面入口左手にある、寿司「ゑんどう」へ。市場で働く人からスーツ姿のサラリーマン、地元のおじいちゃんまで、いろんな人に愛され、2006年で創業100年を迎える老舗です。名物は、握りこまない独特の“つかみ寿司”。朝一番に仕入れた新鮮なネタ5カンが1皿に並ぶ「上まぜ」が1050円と、嬉しいお値段でいただけます。その味はまさに絶品。魚介のダシがギュッと詰まった「赤だし」(300円)も最後の一滴まで美味しくいただきました。
市場を出てから船津橋を渡って、南へ歩くとほどなく靱公園に到着。靱公園周辺も気になるエリアではありますが、この辺りの散策はまたいつかということで、今日はこれでおしまいです。
中之島を西へ
越中橋という小さな橋から東を見た風景。
通勤ルートのせいもあって東側には何となくなじみがあるのですが西側に足を運ぶのは今回が初めて。中之島の西の端には何が見えるのかと思いつつ、デジカメを片手に出発です。
晴天の下、なにわ筋から街路樹の緑が美しい土佐堀通りを西へ向かい、路地を少し入ったところに歩道橋のような小さな橋を見つけました。
この橋の上から東を望むと、中之島に位置するビル郡を望むことができ、なかなかの迫力です。
その橋を渡りきり、そしてまた西へ歩くと味の素グループ大阪ビルが見えます。
建物自体まだ新しいといった印象で、1階に広くとられたスペース、そこにきれいにディスプレイされた商品がビルの外からも眺められます。
以前ネットで検索していたときに、このビルの中に食べ物の書籍を扱った施設がある、との記事を思い出し入ってみることにしました。
各国のレシピやハーブなど食材そのものを取り上げたものも。様々なジャンルの本が並んでいました。
昔はこんなパッケージに入ってお店に並んでいたんですねー。
アメリカ向けに作られたポスターの、日本美女やレトロなデザインに目を奪われます。棚には世界のあらゆるオリーブオイルを紹介する本やお茶菓子だけを特集した本、クレープや今川焼などの庶民派スイーツだけを特集した本など、見ているだけで楽しめる本がたくさん並べられていました。片や砂糖の歴史的な背景を取り上げた本や、カフェを通して大正・昭和の風俗を描写した本、専門的学術的な本まで、さまざまなジャンルがそろっていました。
気になったのは、スパイスと健康について書かれた本。美肌にはこのスパイス、といったように様々なスパイスの特徴と、それを使ったレシピなどが紹介されていました。
司書の方のお話しによると、学生さんは研究の資料集めに、主婦の方は料理本を、その他食品業界の方なども様々な調べものにこのライブラリーを利用されているとのことでした。
また、ネットで蔵書の検索もできるので、目当ての本があるかを調べてから足を運ぶといった利用の仕方もできます。
普通の図書館のように貸し出しもしているので、食べ物について気になることがあればぜひ。
「味の素 食のライブラリー」は、味の素株式会社が主として西日本在住の一般の方々に向けた食に関する情報発信機能の基幹施設として、味の素(株)グループ大阪ビルの2階に2003年12月に開館しました。 「味の素 食のライブラリー」は、食に関する図書、雑誌、映像資料を一般の方々に提供する図書館で、「食」について関心のある方々への資料・情報を入手するのをサポートする施設です。 食文化・食材、食品・料理・食生活・栄養・食経済に関する図書を多数蔵書しており、現在もさらに充実すべく鋭意収集中です。 とくに、大阪”なにわの食文化”に関する資料の充実をめざしています。 ・・・図書、古書、引き札、雑誌等一般公開しており、利用は時間内であればどなたでもご利用いただけます。(貸出しもしています) (平日 10時-17時、但し、臨時休館日あり) 是非一度ご来館下さい! |
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昭和橋を渡った辺り。船がたくさん横付けされていました。
マンゴージュースのお店。お酒が並んでいるところを見ると、夜はバーなんでしょうか?
中之島の西の端。ここはいくつもの川が入り組んでいるおかげで橋が多い!堂島川をまたぐ上船津橋、土佐堀川には湊橋、安治川が分岐するあたりには船津橋と端建蔵橋、 さらに下方から木津川が合流するあたりには昭和橋があり、今どの橋の上にいるのか混乱します。湊橋の上から東を向くと、勢揃いした中之島のビル郡に圧倒されます。中之島を一望するにはある意味いちばん適した場所かもしれません。 いつもの私もあのビルの狭間に紛れて働いているのだなぁと思いました。端建蔵橋から西を向くと、大きな安治川がずーっと続いていくのが見えます。 大阪湾へ流れ出るにはまだまだ遠いのですが、なぜか港町にいるような気持ちになります。大きな倉庫や川岸に並んだ船のせいでしょうか。川の向こうには中央市場が見えます。中央市場には市場体験ツアーというものもあるらしい。いつかチャンスがあれば行ってみようとおもいます。
中之島を西へ歩いて思ったことは、普段知っている中之島とは全然印象の違う場所だということ。 日常の忙しさを忘れるような静かな気持ちになります。 東西に長い地形を考えると、これくらい違いがあっても不思議ではないとも思いました。
そんな中之島の最西端を見て満足し、東へ折り返します。
今度は堂島川沿いを歩いて各国の人々が集うグランキューブ(大阪国際会議場)や、中之島新線の終着駅となる玉江橋駅の工事風景などを見ながら、やっと出発地点なにわ筋のあたりまで帰ってきました。
往復4時間ほどの道のりだったでしょうか。足が辛い。
濃くて美味しいその味に癒され、安治川の穏やかな流れを思い起こしつつ、今回の長い散策は終了したのでした。
橋の名前は順に・・・
1昭和橋、2端建蔵橋、3船津橋、4湊橋、5上船津橋、6越中橋