【中之島散策~中之島人を訪ねて】
いずれは中之島を代表する街イベントに​
北浜蚤の市
三宅右記さん・河崎杏奈さん・間宮菜々子さん

今、北浜で「知る人ぞ知る」フリーマーケットがあります。その名も「北浜蚤の市」。
2018年に第1回を開催して以来、他のフリーマーケットとは一味違う、上質な雰囲気を持つフリーマーケットとして来場者が急増。
中之島かいわいでも話題のイベントとして注目を集めている「北浜蚤の市」の魅力を探るべく、主催者である三宅さん、河崎さん、間宮さんのお三方にお話をお伺いしました。
(取材協力:中之島LOVE CENTRAL)

三宅右記さん

建築、インテリアのデザインや空間設計、リノベーション設計等を行う「MIGIRI Design Office」代表。
「北浜蚤の市」では、フリーマーケットの仕組みづくり、会場の設計、出店ブースのレイアウトなど主に図面関係を担当。

河崎杏奈さん

「TUKUROI. WORK」で商空間の企画、インテリアコーディネートや商品企画サポート業務を行う。
「北浜蚤の市」ではプレスリリース、フライヤー、マップ等の作成など広報関係を担当。

間宮菜々子さん

堺市で宿泊施設・カフェを展開する「サカイノマ・プロジェクト」のマネージメントに携わる。
「北浜蚤の市」では、役所関係や協賛企業等との交渉などを担当。

思い付きで「フリマしません?」「ええで!」でスタート

それぞれ異なるお仕事に就いている3人が、どうして「北浜蚤の市」を一緒に運営するようになったのでしょうか。
この質問にまず、間宮さんが答えてくれました。

「もともと私と三宅さんが北浜のシェアオフィスで知り合いました。そのビルの別のフロアに河崎さんもいて、顔見知りだったんです」(間宮)

間宮さんはもともと、東京で雑貨を扱う会社にいた関係もあり、雑貨が好きで家にもたくさんお持ちになっていたそうです。

「それであまり深く考えもせず、三宅さんに『フリマでもしませんか?』っていってみたら、『ええで』って(笑)」(間宮)
「本当に、何の気なしに始まったんですよ(笑)」(三宅)
「その時、河崎さんが広報のお仕事をされてたので、『広報関係を、やってもらえませんか』と声をかけて、参加してもらいました」(間宮)


和気あいあいと取材に応じられる間宮さん、三宅さん、河崎さん(写真左より)。異なる仕事を持ちながらも、抜群のチームワークで、蚤の市を成功に導いた。

当初は地下のギャラリーで、知り合いを中心に実施

北浜蚤の市は、もともとはビルの地下にあるギャラリーが会場でした。

「最初の蚤の市を、私たちのシェアオフィスでやろうと思っていたのですが、ビルのオーナーさんが、『地下のギャラリーが空いているので、そこでやれば?』と勧めてくださったんです」(間宮)
「そんなに広い場所ではなかったのですが、当初はそれほど大きなイベントになるとは思っていなかったので」(三宅)


      – どうやって、出店者を集めたのでしょうか?

「3人がそれぞれ、友達などに声をかけ参加してもらいました。三宅さんも河崎さんもデザイナーとかスタイリストの知り合いが多いので、撮影につかった小物とかを出品されていましたよ」(間宮)
「商品化される前のプロトタイプなど、珍しいものもありました。植物もありましたね。すごくバラエティに富んでいました」(三宅)

当初、蚤の市は、3人が働くビルの地下のギャラリーを使い開催。
写真は、第2回目の様子。多くの来場者でにぎわっているのがわかる。★

デザイナーやスタイリストが私的に集めた品物や、製品のプロトタイプなど、珍しい品が出品されているためか、「北浜蚤の市」は3人が思っていた以上に反響を呼びました。

「1回目はあまり広報活動もせず、3人が口コミでPRしていました。でも最初からSNSで『いいね』の数が凄くて、びっくりしましたね」(河崎)
「私は『とりあえず、1回やったらもういいか』と思っていたのですが、出店者や来場者の方々から、『次は、いつやるんですか?』と聞かれて、『えっ!?』という感じでした」(間宮)

2018年3月の第1回以来、評判が評判を呼んで、2日間の来場者が8千人を超える大イベントとなったのです。

中之島LOVE CENTRALを会場にし、集客力がアップ


      – 会場を「中之島LOVE CENTRAL」に移した理由は?

「2019年の12月まではギャラリーでやっていましたが、新型コロナの感染が拡大して、地下では開催が無理だと判断しました。そこで以前から面識があった『中之島LOVE CENTRAL 』の松下さんに、会場に貸してもらえないか聞いたところ、ご快諾いただけました」(間宮)
「オープンスペースに出ることは考えていましたが、どこでもいいわけではありません。多少の雨でもできるようなところと考えれば、LOVE CENTRALがベストでしたね」(三宅)


      – 中之島という雰囲気も、北浜蚤の市の成功に一役かっていると思いますか?

「もともとヨーロッパ、パリの蚤の市のようなものをしたかったのです。ヨーロッパでは川沿いでやっているものが多く、そのイメージにぴったりですね。それにデザイナーやスタイリストが集めたものということで、ちょっと上質で洗練されたものを扱いたいという気持ちがありますが、中之島はそんなイメージにもあっていると思います」(間宮)

新型コロナというピンチを、中之島LOVE CENTRAL横テラスへの移設によって、見事に集客力のアップにつなげたのでした。

2020年10月、中之島LOVE CENTRAL横テラスでの「北浜蚤の市 -Reverside Terrace-」の様子。公会堂をバックに、広々としたデッキでゆったりとした蚤の市を開催できた。30代から50代の女性を中心に、2日間で約8千人が来場。★

「中之島」という街のイベントに成長したという手ごたえ

非常に集客力の高い「北浜蚤の市」ですが、中之島という地域に、どんな効果をもたらしているのでしょうか。意外な効果があったそうです。

「北浜蚤の市を開催している日は、近所の飲食店さんが、すごく混むそうです。うちは焼き菓子などのテイクアウトはあるけれど、基本的に飲食はないので、相乗効果があってよかったと思います」(間宮)


      -もはや中之島という地域のイベントだといえますね?

「ビルの地下からLOVE CENTRALに移ることによって、自分たちだけのイベントだったものが、来場者も増えて街、地域のイベントになってきた気がしました」(三宅)
「飲食も含め、地域のお店と一緒にやっていきたいという思いはありますね。マップやDMに協賛してくれるお店も載せていきたいです」(河崎)

「北浜蚤の市」のDM。会場となる「中之島LOVE CENTRAL」はじめ中之島かいわいの有名店の他、大手企業が協賛している。
現物をご覧いただけないのが残念だが、印刷は風合いのある活版印刷。
中之島LOVE CENTRAL横テラス。上に走る阪神高速が、大きな屋根として機能し、多少の雨でもマルシェの開催が可能となっている。

10月の開催にむけ、ますます高まる期待と気合


      – 本来なら、今年の4月に第9回 北浜蚤の市が開催予定でした。

「開催を断念しました。KPG RIVER CRUISEと協力してリバークルーズ企画も予定していたのですが…。でも10月は開催できればと企画を進めています。協賛してくださるお店さま、企業さまもお待ちしています(笑)」(三宅)
「出店者さんもお客さまも、楽しみにしておられる方が多いので、10月はぜひやりたいと思っています。他にはないマーケットだと思っています。みなさんぜひ、お越しください!」(間宮)
「ご近所にお住いの方も、散歩がてらふらりと立ち寄っていただけたら」(河崎)

将来的には金曜の夜などに「ナイトマーケット」などの展開も考えているなど、「北浜蚤の市」はこれからも大きく広がっていきます。中之島を代表するイベントのひとつとして、これからも注目していきたいですね。

(写真★は、北浜蚤の市さまご提供)


中之島LOVE CENTRAL横テラスに立ち、公会堂方面を見つめる3人。次の蚤の市に向け思いを馳せているのかもしれない。

北浜蚤の市​
会場 中之島LOVE CENTRAL横テラス
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満2丁目1−18
次回開催予定 2021年10月16日・17日
アクセス 〇地下鉄御堂筋線・京阪淀屋橋駅 徒歩4分
〇京阪中之島線なにわ橋駅1番 徒歩3分
〇地下鉄堺筋線・京阪北浜駅 徒歩10分
ホームページ​ Instagramkitahama.nominoichi
Facebook:北浜蚤の市
https://love-central.jp/(中之島LOVE CENTRAL)
https://www.kpg.gr.jp/(カトープレジャーグループ)