堂島川にかかる水晶橋のたもと、川に張り出すように作られたデッキに「中之島LOVE CENTRAL」があります。レストランやバンケットホール、BBQスペースやオープンカフェなどをそろえた複合施設です。
今回は、同施設を運営するカトプレジャーグループ Wellness Westの取締役社長兼COOであり、2017年に「水辺のまちああそび運営事務局」総合プロデューサーを務めておられた松下大輔さんに、「中之島LOVE CENTRAL」や中之島についての想いを語っていただきました。
「中之島LOVE CENTRAL」の運営を通し、
中之島のまちづくりに深く携わっている松下大輔さん。
中之島の未来を担うキーマンのひとりだ。★
「にぎわいの森プロジェクト」の一環として、中之島に関わる
– 松下さんが中之島に関わるようになった経緯をお教えください。
「2013年に、大阪府が『中之島にぎわいの森づくり』というプロジェクトを始められました。その一環として堂島川北岸の上にデッキを作り、その上で複合施設を運営する企業を公募されたのです。
弊社は、『日本のレジャーをもっと楽しく!』をテーマとして、ホテル、リゾート、レストラン、エンターテインメント、リバークルーズなど多岐にわたる事業の開発や運営を行うトータルプロデュースカンパニーです。その経験を活かして中之島の活性化にお役に立ちたいと思い手を挙げたところ、弊社にお任せいただけることとなり、中之島とのご縁ができました」
-「水辺のまちあそび運営事務局」の総合プロデューサーになられたのも、そのころでしょうか。
「2017年に『水都大阪コンソーシアム』が設立された時からですね。それまでも『水辺のまちあそび』は開催されていたのですが、『水都大阪コンソーシアム』のもとで一本化される際、「中之島LOVE CENTRAL」がお役にたてるのではないかと思い、手を挙げさせていただきました」
「中之島LOVE CENTRAL」のデッキにあるオープンカフェにて。身振り手振りを交え、中之島の魅力を熱く語る松下さん。松下さんが指さす先には、大阪市中央公会堂周辺の美しい風景が広がる。
現在も続く「水辺のまちあそび」イベントの基礎をつくる
– 松下さんが総合プロデューサーを務めていたのは2017年ですが、その当時に行ったイベントなどは現在も続いています。
「 今も続く『ヨガまつり』など、2016年以前からやっていたイベントもありました。
その運営を府、市、民間企業が一体となった組織『水都大阪コンソーシアム』に一本化されました。そのタイミングで私も総合プロデューサーとして携わらせていただくことになりました。
『クラフトビアピクニック』や『アウトドアヨガまつり』などのイベントを各実行委員のみなさんとご一緒に行いました。
また、『大阪ビオワイン・フェスタ』は、別の場所が会場でしたが、実行委員である株式会社小松屋の藤田牧雄社長とのご縁で、中之島で開催いただき、以後ずっとこの場所が会場になっています」
「水都大阪フェス2017」(2017年10月)での松下さん。
その際のレポートが「中之島スタイル」にアップされている。
ご覧になりたい方は、「こちら」をクリック。
松下さんは社業に専念するため、現在は総合プロデューサーを退いておられますが、「水辺のまちあそび」の現在のスタイルを構築することに多大な功績を残されました。
飲食だけでなく、さまざまなイベントで中之島の活性化を図る
– それでは「中之島LOVE CENTRAL」について、ご紹介ください。
「中之島では、南側の土佐堀川あたりはオシャレなカフェなどもいろいろできて、非常に賑わっているのですが、堂島川の特に北岸はあまり人が訪れない場所でした。裁判所などがあって、堅いイメージもあったんだと思います。
この場所に、人々が集うスポットがあれば中之島全体の回遊性が高められるのではないかと考えました。それで船着場も備えた複合施設として運営させていただいております」
– レストランをはじめ、いろんなお店もあるようですね?
「中之島LOVE CENTRAL」は、大阪に縁の深いミュージシャンのDREAMS COMES TRUEさまのサポートにより、大阪の新しいランドマークとして、レストラン『sumile(スミレ) OSAKA』、バンケットホール『SUNSHINE』、ウェディング『中之島RIVER WONDERLAND』、BBQ『NOCTURNE』、さらには『KPGリバークルーズ』と、お食事やお飲み物を楽しんでいただく5つの施設がございますが、それに加え、広いデッキを活かしたガーデンテラスでは、さまざまなイベントも開催しています。
たとえば『北浜蚤の市』では、スタイリストさんがセレクトする洋服や生地などを販売するフリーマーケットや、大阪市中央公会堂をバックにステージを設けたフリーライブ『中之島ミュージックマルシェ』など、活発にご使用いただいております」
レストラン『sumile OSAKA』の店内。この2021年3月8日にリニューアルオープンしたばかり。「今までのハレの日のご利用だけでなく、毎日、お気軽にご利用いただけるお店にしました。お一人さまでも、大歓迎です。開店から閉店まで、アイドリングタイムもありませんので、夕方前にワインやビールをちょっと一杯・・・という時に、ぜひ」と松下さん。
バンケットホール『SUNSHINE』。最大120名さままでのパーティも可能。ガラス張りの窓から太陽の光がふんだんに取り込まれ、まさに「サンシャイン」にあふれるホールだ。★
施設の屋上ともいえる場所にある、BBQ『NOCTURNE』。中之島の景色と堂島川を眺めながらBBQが楽しめる。なんといっても、このロケーションが一番のごちそう!★
デッキの上に広がるガーデンテラス。ここでフリーライブや蚤の市が開催される。上を通る阪神高速の高架で、多少の雨ならしのげるという、とてもうれしい場所だ。
DREAMS COME TRUEとのコラボで、ファンにとっての”聖地”に
-「中之島LOVE CENTRAL」といえば、人気アーティストのDREAMS COME TRUEさまとのコラボレーションでも話題になりました。
「DREAMS COME TRUEさまとは大阪府さまのご紹介でお会いしました。大阪はドリカムにとってデビュー・ライヴを行った地であり、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの『ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド』のタイアップソングに『大阪LOVER』を提供されるなど、いろいろなご縁があります。
「中之島LOVE CENTRAL」内の各施設の名称もドリカムの楽曲タイトルやアルバムタイトルからつけられ、
ありがたいことに中村正人さまに店内で流しているBGMを選曲していただいています」
– ファンも、たくさん来られるのではないですか?
「大阪でコンサートをされる際は、ライヴの前後に全国からファンの方々がここを訪れていただいています。東京と大阪の『sumile』合同企画として『ドリカム・コース』もご提供させていただいており、ファンのみなさまにとっての『聖地』として親しまれています」
『中之島RIVER WONDERLAND』の壁に書かれたサイン。これらがファンにとって“聖地化”されるゆえんなのかもしれない。
レストラン『sumile OSAKA』のBGMは、月替わりで中村正人さんがセレクトしている。テーブルに置かれた「MUSIC MENU」。
ガーデンテラス横に植樹された「ドリカムツリー」。
全部で7本植えられた中の、4本目となる。
中之島は大阪の魅力をギュッと凝縮した場所
最後に新型コロナの影響にある中、松下さんはどのような取り組みを行っていくのか、お聞きしてみました。
「3月8日に、『sumile OSAKA』をリニューアルしましたが、それもより多くのお客さまにご利用いただき、再び中之島を活気のある場所にしたかったからです。ここにいらっしゃるお客さまが増えれば、中之島全体のにぎわいも変わってくると考えています。
そのためにイベントでクルーズを出して、お子さま連れのお客さまなどに、川から眺める大阪の街を体験していただきたいと思っています」
– まだまだ中之島の魅力を発信できていない、ということでしょうか?
「そう思います。水辺が身近にあり、水の都である大阪の魅力がたくさん詰まった地が、この中之島だと思います。
安藤忠雄先生が設計された『こども本の森 中之島』もできました。芸術性や文化性の高いエリアであるといえます。
ここに関わる者の一人として、中之島の魅力を、もっともっと広域へ発信していきたいと考えています」
これからも、松下さんの更なるご活躍と、「中之島LOVE CENTRAL」のますますの賑わいを期待したいと思います。
(写真★は、カトープレジャーグループさまご提供)
「中之島LOVE CENTRAL」のエントランスに立つ松下さん。
たくさんのお客さまを、その人懐っこい笑顔で迎えてくれることだろう。