今回から計3回に分けて、中之島と両岸を結ぶ橋を巡る散策をレポートします。さぁ、中之島ぐるっと橋巡り!ご一緒いかがですか?
今回は「渡辺橋」からスタートして、中之島の中心部にかかる9つの橋を、一筆書きで中央公会堂まで巡る、ぶらぶら歩きで約1時間のコースです。
北詰の堂島から渡れば、目の前に2つの超高層ビル「中之島フェスティバルタワー」「中之島フェスティバルタワーウエスト」がそびえ立っています。ここは、現代の大阪で、文化や情報の旺盛な発信力を持つ地域だといえるでしょう。
戦後、地下鉄四ツ橋線の工事を行う際に、ひとつ北の渡辺橋とともに架け替えられました。
肥後橋を南に渡り東に進み、美しい装飾の大同生命ビルを右手に眺めながら少し歩くと、階段が。錦橋に着きました。
整備にあわせ、橋上をギャラリーとして活用。江戸時代~明治時代に描かれた大阪の橋の錦絵をタイルに焼き付け、展示しています。
錦橋を渡り、土佐堀川沿いの遊歩道「中之島緑道」を東に入ります。緑と先進的なビルが美しく調和している風景を楽しみながら歩きましょう。
やがて大阪中之島ビルと日本銀行大阪支店の間の小道を北へ。
まっすぐ進み突き当りが、中之島ガーデンブリッジとなります。
東へ進んでいくと、目の前に大通りが。大阪のメインストリート、御堂筋に到着しました。
現在の大江橋は、土佐堀川に架かる淀屋橋とともに、1935年、御堂筋の拡幅工事に伴い架け替えられたもの。パリのセーヌ川をイメージしたデザインは、公募で決まったもので、淀屋橋も同一の意匠で作られています。
橋を南に渡り右手を見れば、風格ある日本銀行大阪支店左手を見れば、堂々たる大阪市役所本庁舎[以下、市庁舎]大阪市の中枢ともいえる場所です。市庁舎の南には、心落ち着く遊歩道もあります。橋巡りをしばし休憩し、ひと休みするには、ちょうど良いスポットだといえるでしょう。
市庁舎や日本銀行大阪支店を通り過ぎると、もうそこは、淀屋橋橋上。
江戸時代、この橋の南西に住んでいた豪商・淀屋が米市のために架橋したことから、「淀屋橋」の名前が付きました。
現在の淀屋橋は大江橋と同様、1935年に御堂筋拡幅工事にあわせて架け替え。2008年、大江橋とともに国の重要文化財に指定されました。
さて、淀屋橋を渡り切ったら、土佐堀通を東に進みます。もし時間に余裕があれば、土佐堀通のもう1本南の通りには緒方洪庵の適塾跡があるので、寄ってみるのも良いでしょう。
御堂筋から3筋、東に行けば、美しい大阪市中央公会堂に向かって橋が架かっています。栴檀木橋(せんだんのきばし)です。
現在の橋は1985年に架け替えられたもので、背景となる大阪府立中之島図書館や大阪市公会堂にマッチするようにデザインされています。
栴檀木橋を渡り中之島に入ったら、少し西に戻り、市庁舎と中之島図書館の間の道を北へ。
壮麗な、ネオ・バロック様式の大阪府立中之島図書館の外観を眺めながら北に進むと、道の向こうに階段が。水晶橋に着きました。
大阪市中央公会堂や大阪府立中之島図書館をバックに、流麗なアーチを描く堂々としたスタイルは、よく絵画の題材とされ、スケッチや撮影などに訪れる人もしばしば。ライトアップも美しい。
この橋の北詰には、「中之島LOVE CENTRAL」が。ウェディングスペースやレストラン、カフェやBBQラウンジなどのお店がそろったスポットですが、川べりのデッキは無料休憩できるようになっており、誰でも利用可能です。
この「中之島LOVE CENTRAL」の外にあるのが、船入橋跡碑。
そのため、川沿いの道は入堀をまたぐための橋が架けられていました。それを「船入橋」と総称していました。
裁判所の向いのこの地で、1990年、入堀跡が確認されたため、顕彰碑が建てられました。
顕彰碑をさらに東に進むと、橋と鳥居が見えてきます。鉾流橋です。
現在の橋は2代目で、1929年に完成したものです。
鉾流橋を南に渡れば、いよいよ中之島のシンボルともいえる大阪市中央公会堂に到着です。
今回ご紹介したコースは中之島の中心部といえる場所で、都心にありながら、緑や風情ある景色が楽しめる、大阪きってのスポットだと思います。
またコースの周囲には、中之島フェスティバルタワーのような先進的なビルと、三井住友銀行大阪本店ビル、日本銀行大阪支店、大阪市中央公会堂、大阪府立中之島図書館のような歴史的な建物が混在し、美しい調和を見せている場所でもあります。橋を巡りながら、それらの建造物を眺めるのもいいでしょう。
中之島の橋巡りは、まだ続きます。次回も、ぜひお楽しみに。