「中之島まるごとフェスティバル2014」 レポート

歴史あるビジネス街、大阪・中之島を新たな文化の発信拠点にしようと、10月31日から11月3日まで開かれた「中之島まるごとフェスティバル2014」に行ってきました。東日本大地震で被災した学校にピアノを送る募金活動も兼ねていて、淀川工科高校など吹奏楽や合唱、ハンドベルの演奏で定評のある6校がボランティア出演、高層ビルの島がひととき音楽の街に変わりました。

中之島散策 まるフェス2014 マップ
中之島散策 中之島まるごとフェスティバル2014
♪「ビル中」演奏会

初日は中之島フェスティバルタワー(NFT)1階ロビーで開会式がありました。京阪電鉄のイメージガール「おけいはん」こと畦田ひとみさんが「中学、高校のときは吹奏楽部でトランペットを吹いていました。音楽の力で中之島を盛り上げましょう」と呼びかけました。   演奏の皮切りは淀川工科高校吹奏楽部。赤絨毯の大階段に白いブレザー姿の部員たちが並び、「祝典序曲」など3曲を演奏しました。振り付けや歌も交えた演出にロビーを埋めた観客から大きな拍手が起きました。入りきれない人もいて、正面玄関の外から演奏を見つめていました。

中之島散策 中之島まるごとフェスティバル2014

♪空に響け、歌声

大阪市街を一望できるNFT13階スカイロビーでは、清水谷高校と大阪信愛女学院、清教学園の合唱部が特設ステージから童謡や聖歌を披露し、澄み切った声がロビーに響き渡りました。 阪神大震災と東日本大震災の報道写真展も同時に開かれていて、演奏の合間に約60点の写真を見て回っていました。

中之島散策 中之島まるごとフェスティバル2014
♪走る電車もライブ会場に  

中之島駅が終着の京阪電鉄は、ライブ演奏用の特別列車を走らせました。寝屋川車庫を折り返す約1時間のコース。扇町総合高校の吹奏楽部員約40人が乗り込み、車内で乗客たちのリクエストを演奏しました。乗客たちは車窓を流れる風景と音楽を楽しみました。  新聞を見て応募した大阪府門真市の男性会社員(55)は「電車の中でこんなことができるなんて。京阪さんにはおもしろい試みをどんどんやってほしい」と話していました。

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♪食も、音も  

中之島ダイビルの吹き抜けのロビーでは、箕面自由学園高校の吹奏楽部が、美空ひばりのメドレーや「翼をください」などを、清教学園と大阪信愛女学院がハンドベルを演奏しました。ビルを訪ねてきた家族連れがロビーや回廊から聴き入っていました。 隣のダイビル本館1階では、パン屋が臨時の店を出す「ダイビル×essence マルシェ」が開かれました。オープン15分前には300人以上の列ができる人気ぶりでした。

♪延べ5500人

NFTとダイビル、京阪中之島駅。主に3会場で開かれた「まるフェス」には関連イベントを含めて延べで5500人が来場しました。大阪市此花区の元会社員の男性(66)は「50年来のフェスティバルホールファンです。きょうは1階と13階を行ったり来たりしながら楽しませてもらいました。こうした市民向けのイベントが中之島で年中あったらええなあ」と話していました。 まるフェスは創刊135年とNFT開業2年を記念して、朝日新聞社と朝日ビルディング社の呼びかけで初めて開かれました。担当者は「来年はもっと多くの企業に呼びかけて中之島全体のフェスティバルにしていけたら」と話しています。

(2014年12月)
中之島まるごとフェスティバル2014
開催日時
2014年10月31日(金)~11月3日(月・祝)  
※時間は日によって異なる
会場
中之島フェスティバルタワー、ダイビル、中之島駅 など