まだまだ寒いこの時期、清らかな香りと色で春を感じさせてくれるのが梅の花です。今日は、大阪水上バスから発売されている「大阪梅名所めぐりセット券」を使って、中之島周辺の観梅スポット「大阪城梅林」「大阪天満宮」を訪れてみたいと思います。
入り口
「大阪梅名所めぐりセット券」は、大阪水上バス「アクアライナー」の片道乗船券と大阪天満宮の「大盆梅展」入場券がセットになったお得なチケット。このチケットを片手に私が訪れたのは、大阪屈指の観梅スポット、大阪城公園の梅林です。梅林への最寄り駅はJR大阪城公園駅や大阪ビジネスパーク(OBP)駅ですが、お天気がよければ天満橋駅からお堀沿いを歩いていくのも気持ちよさそうです。天守閣の東側にある梅林は、敷地面積約1.7haの広さに約95種、約1,250本の梅が植えられています。園内には盆栽や植木の即売会が催され、庭木と梅の相談室なども設けられています。
梅林に到着すると、年配のご夫婦や修学旅行生、ビジネスマン風の男性など、たくさんの人で賑わっていました。園内は爽やかな香りがほのかに漂っています。 寒紅梅や冬至梅、八重野梅など、早咲きの梅はほぼ満開で見頃を迎えていました。全体では3~4分咲きくらいでしょうか。これだけ素晴らしい梅が見物できて入場無料は嬉しいですね。満開時にもう一度行ってみたいな。
カラフルな梅を満喫したら、立派な青屋門をくぐって大阪城ホール方面へ。この近くに水上バスのりば(大阪城港)があるのです。大阪城港の売店では梅の本場・紀州産の南高梅を使った「梅長寿かゆ」も販売されていました。
アクアライナー
アクアライナーは全席指定。私が乗ったコースは大阪城港を出港し、天満橋港、淀屋橋港に立ち寄り、大阪天満宮の最寄港であるOAP港へと向かう約40分のクルーズです。船はOAP港に立ち寄ったあと大阪城港に戻りますので、乗り過ごさないように気をつけてくださいね。 左側の席に座った私は、窓の外の風景に釘付け。ここから見えるビルは、土佐堀通り沿いに建つビルの裏側にあたります。人気ティールームの北浜レトロや、難波橋のライオンもみんな背中を向けています。土佐堀川をのぞむガラス張りのオシャレなカフェも見つけました。
アクアライナー
クルーズではさまざまな橋をくぐりました。大阪城新橋、新鴫野橋、京橋、寝屋川橋。天満橋を越えて、土佐堀川に入ると、天神橋、難波橋、栴檀木橋。折り返し地点の淀屋橋港からは淀屋橋も見えました。それから、川崎橋、桜宮橋。かつて八百八橋といわれた水都・大阪の栄華を今に伝えています。
満潮時でも安全に橋をくぐることができるよう、船の天井部分は30cmほど下げることができる仕組みになっています。最も下がったときの高さは水面からわずか1m30cmほどなのだそうです。
船は淀屋橋港に寄港後Uターンして、中之島東端(剣先)の地形をたどるように進んだあと、OAP港へ向かって川をのぼっていきます。
水鳥たちが飛び交う水辺の風景を楽しんでいる間に、船はOAP港に到着。ここから無料のシャトルバスに乗って大阪天満宮へ向かいます。大阪天満宮は、梅をこよなく愛した学問の神様・菅原道真公を祀る神社です。境内にも梅の木がいくつも植えられていました。
「大盆梅展」では、甲州野梅、白加賀、思いのままといった約20種約100本の盆梅が鑑賞できるほか、夜間拝観日にはライトアップや大正琴・神楽などのイベントも開催。中庭の梅を眺めながら、九州・大宰府直伝の「梅の木餅」や「梅昆布茶」がいただける喫茶スペースもあります。
「大盆梅展」は、書院造の参集殿という建物で開催されていました。盆梅とは鉢植えされた梅のことですが、その鉢という制限のある空間で繰り広げられた野趣あふれる枝ぶりは生命力に満ち、見ごたえたっぷり。
自分へのお土産に大阪天満宮のオリジナルタオル(300円)を買ったところで、今日の散策は終了です。今回は、梅の名所を船でめぐり、その船から中之島の風景を眺め、ひと足先に春気分を味わった粋な散策となりました。みなさんもプチクルーズしてみませんか。
(※2008年2月に取材・掲載した記事です。)
TEL
東部方面公園事務所 電話 06-6941-1144