京阪中之島線に乗ってきました!

2008年10月19日、京阪中之島線が開通しました! 開通にあたり、天満橋駅から中之島の西に向かって、なにわ橋駅・渡辺橋駅・大江駅・中之島駅(大阪国際会議場)が新設。実はこの4駅、【中之島の粋(エスプリ)】をメインコンセプトにしつつ、それぞれのエリアに根ざした特徴があるのだそうです。今日の散策は、この中之島線をリポートしたいと思います。

中之島駅
京阪中之島線

【 なにわ橋駅 】~文化と芸術が交差するエリアに溶け込む美しい駅

まずは、なにわ橋駅から散策スタート。駅周辺には、大阪市中央公会堂や大阪府立中之島図書館、大阪府立東洋陶磁美術館が点在する文化・芸術エリアです。少し足を伸ばせば、大阪天満宮や天満天神繁盛亭に行くこともでき、レトロ建築とグルメの名店が連なる北浜もすぐ近くにあります。

新設された4駅中、この駅の外観のみ建築家・安藤忠雄氏による設計となります。天井部分には、川面を流れる水を象徴する青色LED(発光ダイオード)を内蔵したガラスブロックを使用。別の日の夜に利用したとき、鮮やかな青のグラデーションで自らの姿を美しく照らしていたのを発見!とても綺麗でした。

私のお気に入りは、地下1・2階部分が吹き抜け空間になった改札付近。これは新駅中なにわ橋駅だけでした。それもそのはず、この駅は4駅の中で最も深い場所に作られているそうです。ホーム壁面は中央公会堂のレンガをイメージした「テラコッタ」が使用されています。この素材は、駅ごとにすべて異なっているとか。他の駅でもチェックしなくちゃ!

地下1階コンコースには「アートエリアB1(ビーワン)」がオープン。ここは従来の商業利用ではなく、文化・芸術ゾーンに関連した空間として利用されていくそうです。まずは2009年3月までの間、オープニング企画「中之島コミュニケーションカフェ2008」と題し、アート・サイエンス・哲学の専門家を交えたカフェトークをはじめ、さまざまな無料プログラムを開催。こんな素敵なエキナカなら大歓迎ですよね!
中之島駅

駅の真上は、都会のオアシス・中之島公園(2008年11月現在工事中)。中之島公園はもともと川沿いに広がる公園でしたが、中之島線の工事の関係で長らくその一部が閉鎖されている状態でした。今後少しずつ緑豊かな公園の姿を取り戻していくそうなので楽しみです。

さて、ここからは終点・中之島駅までの各駅を、電車に乗って移動します! 新型車両と会えるかな?

京阪中之島線

【 大江橋駅 】~堂島は今も昔もオフィス街!? 大阪の大動脈・御堂筋につながる駅

大江橋駅に到着。残念ながら新型車両には出会えませんでした・・・が、気を取り直してホーム壁面をチェック! この駅に使用されているのは、中之島の現代を象徴する素材「石」。駅そばに建つ日本銀行大阪支店や大阪市役所を連想させます。地上は御堂筋に面し、淀屋橋odonaや北新地へもこの駅が最寄り駅。東側の出口から淀屋橋を渡れば、地下鉄御堂筋線淀屋橋駅への乗り換えもすぐです。出口の外観はガラスと木を格子に見立てた現代的なデザイン。夜間はガラス越しに柔らかな光が広がり、美しい景観を見ることができそうです。駅の中にはファーストフード、コンビニ、書店と、コンパクトな造りながらビジネスマンのツボを抑えた3店舗がオープン。このエキナカ施設は、隣の渡辺橋駅で展開するグルメゾーンとともに「MINAMO(ミナモ)」という名前がつけられています。

また、江戸時代の堂島エリアは諸藩大名の蔵屋敷として発達し、商業の中心として栄えていた場所。通路の一角には江戸時代の堂島の蔵屋敷の名を連ねた地図が架けられていました。

そのほか印象的だったのがバリアフリー仕様の手すり。段差に合わせて階段状にデザインされているのですが、この形状の方が握ったときに力が入りやすくなるそうです。見た目もオシャレですよね。

京阪中之島線

【 渡辺橋駅 】~梅田の南の玄関口にふさわしい、大充実のエキナカ施設「MINAMO(ミナモ)」

渡辺橋駅への移動でも残念ながら新型車両に会えずでした。渡辺橋駅のホームの壁面は、未来を感じさせる「金属材」を使用しています。これを見て、私がハタと思い出したのは、前回の建築散歩で訪れた朝日新聞社の外観、そして国立国際美術館の地上にあるウサギのような形のオブジェ。どちらもこの駅が最寄りなんですよね。なかなか考えてるなぁ。そのほか、国立国際美術館の隣に建つ大阪市立科学館や堂島アバンザ、ドーチカこと堂島地下センターもここが最寄り駅。地下鉄肥後橋駅とも接続しています。梅田に向かう南の玄関と考えると、ひときわ利用客が多そうな駅です。

渡辺橋駅の注目ポイントは、なんといってもエキナカ施設「MINAMO(ミナモ)」。この名前は、堂島川に広がる“水面”、そして賑わいとネットワークのキーワード“みんなも”のダブルミーニングとなっているそうです。

渡辺橋駅の「MINAMO」は8店舗で構成されています。関西初上陸となるイタリアンバール「イルバール・ディプント」、スタンディング・ワイン・バー「百-hyaku-」、たこ焼きとおでんが名物の「焼酎バー くくるハナタコ」といったユニークなスタイルの飲食店や、マクドナルド、ドトールといったファーストフード店など、幅広いジャンルの飲食店が集まっており、モーニング、ランチ、仕事帰りにちょっと一杯、さらにはテイクアウトと、さまざまなシチュエーションに対応してくれそうです。

京阪中之島線

【 中之島駅 】~乗り心地◎の新型車両と確実に出会える裏ワザ?!

いよいよ終点・中之島駅に到着。中之島線は、中之島駅~京都・洛北の玄関口、出町柳間を65分で結びます。改札を出るとすぐリーガロイヤルホテルへつながる地下通路に直結。先日散策した「ほたるまち」や、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)も、この駅が最寄りとなります。ホームの壁面は中之島線の象徴である「木」を使用。この木は全駅のコンコース壁面に使用され、目にするたびに北欧インテリアのようでオシャレだなぁ~と思っていました。カナダ杉という木で、非常に燃えにくい材質なのだそうです。

そして、ここでようやく新型車両3000系に会うことができました! 車体は「風流の今様」をコンセプトに、水都・中之島の「水」と古都・京都の伝統や格式のイメージを兼ね備えた色として紺色を採用。車内も座席から吊革まで紺色を基調とした色合いで、とってもクールです。スエード調人工皮革“TOREX エクセーヌ”を採用した座席は、柔らかな肌触りで座り心地バツグンでした。

新型車両は、主に「快速急行」として運転されるそうです。この快速急行は、中之島線開業に合わせて仲間入りしたもの。毎時00分・30分に中之島駅発の電車はこの新型車両が走るそうなので、効率よく出会いたい方は、ぜひこの時間を目安に訪れてみてください。

京阪中之島線

中之島線開通にあわせ、地上には遊歩道が完成しました。中之島駅から大江橋駅まで電車と同ルートをたどる遊歩道から眺める街並みはとっても新鮮! ビルの間を縦横無尽に交差する高速道路も都会ならではの風景です。また、中之島は知る人ぞ知る夕日スポット。これからは遊歩道からものんびり眺めることができそうです。新型車両と駅の建築美が堪能できた今回の散策。ニューオープンのお店や中之島公園のリニューアルなど、駅周辺は今後さらに整えられていくことでしょう。中之島は地上も地下も、目が離せませんね!

(※この記事は2008年11月に作成されたものです)
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