いよいよ食欲の秋到来!今回の「気になるお店」では、残暑の疲れが吹き飛ぶスタミナ料理のお店をご紹介いたします。
この夏、ダイビル本館にオープンしたカレー店「旧ヤム邸 中之島洋館」は、空堀にある 「旧ヤム邸」の姉妹店。空堀にある旧ヤム邸が、築130年の古い建物をリノベーションした「和」の 空間であるのと対照的に、「旧ヤム邸 中之島洋館」は、大正ロマネスクを再現したダイビル本館の設(しつら)えを活かした「洋」の空間。それも「西洋に憧れている大正時代の日本人の家」をコンセプトにしており、あえて低い位置に額絵がかけてあったり、シャビーな花柄の陶器類が飾ってあったりとこだわりのある内装となっています。ドールハウスを彷彿とさせる雰囲気に、男性は入りにくいかも、とのオープン前の心配をよそに、お客様には意外と中高年の男性も多いのだとか。
旧ヤム邸のカレーの特徴は、7割のカレーに、昆布、しいたけ、カツオなどからとった和風だしを使用していること。まろやかでしつこくなく、味に深みのある和風だしのカレーは毎日食べても飽きないほど。カレー屋さんといえば、スパイスに重点を置くところが多いようですが、旧ヤム邸では、「あくまでも素材を引き立てるのがスパイスの役目」と、素材重視。同じレシピで作っても、朝昼晩で味が変わってくるカレー作りは「バイオリズムも含めた戦いですよ」と店長さん。
お米は、玄米、もしくはジャスミン・ライスからチョイスできます。ジャスミンライスはさらっとしたタイ米で カレーの吸い込みがいいのが特徴なのだとか。
また、ディナータイムの営業も8月より開始し、絶品カレーのほか、グリル料理やアラカルトメニューもいただけるようになりました。
他所では味わえない、和と洋、そしてカレーと空間の融合、「旧ヤム邸 中之島洋館」。ぜひ、訪れてみてください。
・選べる混ぜカレー(サラダ・ヨーグルト付) 900円
トッピング/オプション
・キーマルゥあいがけ 150円 / とろーりチーズ 100円
中之島の左岸を東横堀川沿いに。行列のできるカレー専門店「カシミール」
中之島の右岸を東横堀川沿いに南へ。高麗橋のすぐ傍の小さな建物で「カシミール」はひっそりと営業しています。
「ひっそり」とはいえ、 何年も通うリピーターや、遠方から訪れるお客さんも多く、お昼時には行列ができるほどの人気店です。
魅惑的なスパイスの香りに鼻腔をくすぐられながら店内へ入ると 厨房を囲むL字のカウンターの中から、オーナーの後藤さんが出迎えてくださいました。
もともと「一(イチ)カレー好き」という後藤さん。嵩じてこの道に入り、 「日本人だからこそ作れる、オリジナルのカレー作りを」と、孤軍奮闘。
アメ村から堀江へ、そして北浜へと、移転しながら、カレー専門店を営むこと約15年、 「80歳までカレー屋をやりたい。」と顔をほころばせます。
野菜の旨みと、新鮮なスパイスから成るベースは、とろみづけに小麦粉が 一切使われておらず、具材の味をしっかりと生かしています。
例えば「ほうれん草とチーズのカレー」は、インド料理屋さんで見かけるような ペースト状のものとは異なり、ほうれん草の元の形状がわかる程度に煮込まれています。
茄子は瑞々しく歯ごたえがあり、サツマイモはほっこりと甘く、 トマトの甘みが辛さを引き立て、チーズがコクを出し、 豆腐のマイルドな口当たりが辛味を緩和させ、味の変化を楽しむことができます。
(※具材は季節などにより変ります。)
こだわりのお米は白米か玄米かの選択ができ、オニオンやにんじんの自家製ピクルスが 箸休めに置いてあります。一枚のお皿の上に、体にいいもの、体が必要としているものが、ぎゅっと凝縮されている、 そんなカレーライスなのです。
「カレー職人」と呼ぶにふさわしい、オーナーの後藤さん。
「美味しいカレーライスを作るコツ」を伺うと、「特別なものは使ってないですよ。 気持ちです。」とのお返事。
どうやら後藤さんのカレーへの情熱が「カシミール」のカレーライスの 究極のスパイスになっているようです。