“大阪中之島mamenoki”の前身となる、ティーサロン“まめの木”がオープンしたのは1988年のこと。もともと食べることが大好きだったオーナーの森島さんは、好きが高じて、大阪・堺市の自宅の裏に“まめの木”をオープンし、素人ながら独学で研究を重ね、お菓子を作るようになったそうです。やがてそのお菓子が評判を呼び、メディアなどでも紹介されるようになり、静かな住宅街に多くのお客様が訪れるようになったことで、大阪・堺市の高倉台にお店を移転。“お菓子工房mamenoki”がオープンしました。さらに、この頃、森島さんは、作ったお菓子を販売するだけでなく、お菓子作り教室を開催したり、お菓子作りの本を刊行されるなど、幅広く活動されています。ちなみに、お店の名前“まめの木/mamenoki”は、森島さんのお母さんが、主婦業のかたわら起業された森島さんを案じて「マメに元気で続けていけるように」と、命名されたのが由来だそうです。
“大阪中之島mamenoki”のオープンは2014年。百貨店にいけば、全国どこでも同じスイーツショップが出店している昨今、「大阪の中心の街である中之島で、大阪を代表するお土産となるようなお菓子を」との想いを込め、開発されたのが、「中之島レモン」(1コ¥260)です。 瀬戸内の「岩城島」(いわぎじま)で収穫された無農薬・ノーワックスのレモンや、平地飼いした鶏の卵、成分無調整の生クリーム、低温殺菌の牛乳など、オーナーの森島さん選りすぐりのこだわり素材で作られています。素朴ながらも贅沢な手のひらサイズのケーキは、レモン風味のさっぱりとした甘さが暑い季節のおやつにもぴったり。夏は冷やしていただくのがおいしいので、夏場は冬場より柔らかめに焼いてあるとのこと。細やかな心配りがうれしいですね。お隣にある弁護士会館の弁護士さんが、お土産として利用されることも多いそうですよ。
その他の商品で、夏場の手土産として人気があるのが「リーフパイ」です。「軽い食感なので、暑くても食べやすいですよ」と、森島さん。また、この夏、「中之島レモン」と同じく、岩城島産のレモンで作った「岩城島生レモンジュレ」も販売されています。新鮮なレモンをふんだんに使用した特製ジュレは、製造が追いつかず、予約必須の商品だそうです。さらに果実の成分の高いレモネードもこの夏の新商品として売り出し中です。ちょっと珍しいレモンジャムと中之島レモンをセットにしたものも、ご進物としておすすめです。店内には、mamenokiの商品以外にも、ワイン用のブドウからつくられたオーガニックのぶどうジュースや、希少なオイルなどが少しずつ並んでいて、森島さんの食へのこだわりが垣間見えます。
“大阪中之島mamenoki”には、イートインコーナーがあり、静かな空間でほっと一息つくこともできます。「中之島レモン」を、ドリンクとともにいただけるレモンケーキセット(¥600~¥700)のほか、ショーウィンドウに並んだ数々のスイーツも魅力的です。こちらは夏場はテイクアウトよりも、店内でいただくほうがおすすめとのこと。お中元や帰省のお土産を選ぶついでに、涼んでいかれてはいかがでしょうか。
※・・・メニュー・価格は、2016年7月現在のものです。
住所
530-0047 大阪府大阪市北区西天満2-7-26
阪急百貨店うめだ本店で人気のパティスリー「五感」の本館として2005年5月にオープンした『五感・北浜本館』。現代建築とレトロビルが同居し、オフィス街でありながら落ち着いた雰囲気が漂う北浜・堺筋沿いに建つこのお店は、界隈でもとりわけ洗練された佇まいが目をひく新井ビルの中にあります。2フロア吹き抜けとなった店内では、大きな窯からお菓子が次々と焼き上がり、奥の厨房ではガラス越しにてきぱき働くスタッフの姿が見え、活気に満ち溢れています。
五感では『自然と愛』をテーマに、「人」「鮮度」「旬」「和」「素材」にこだわったスウィーツをリーズナブルな価格で提供。牛乳や小麦粉といったお菓子作りには欠かせない原料も、可能なかぎり厳選された国産品を使用しています。人気商品「お米の純生ルーロ」に代表されるスウィーツは、どれも洋菓子でありながら日本らしさをほんのり感じさせる、まさに和魂洋才の賜物です。また、ギフト用焼菓子や詰め合わせなども充実。上品な色遣いのパッケージは、進物や手土産としても喜ばれそうです。北浜本館では、1階の店舗にてスウィーツのテイクアウトが、2階のサロンにて作りたてのケーキやランチをいただくことができます。サロンでケーキを注文すると、季節の一品がつく嬉しいサービスも。ゆったりとした空間で美味しいスウィーツが味わえるのも北浜本館ならではの魅力です。
大正建築を美しくリノベーション「新井ビル」
五感・北浜本館のスウィーツとともに人々を魅了しているのが、大正11年築の新井ビル。皇居二重橋や奈良ホテルなどの設計で知られる河合浩蔵氏が設計し、旧報徳銀行大阪支店として建てられたこの建物は、現在登録有形文化財に指定されています。あえてむき出しにした配管など、当時の雰囲気を損なうことなくリノベーションされた優美なインテリアは、建築ファンならずともみとれてしまいそう。建物からも、大阪発信のスウィーツ作りを目指すオーナーの熱い思いが伝わってくるようです。
【メニューのご紹介】
●お米の純生ルーロ
ふっくらと炊いた丹波の黒豆を、お米の粉を使った生地で巻き上げたロールケーキ。五感で人気の定番商品です。卵は“平飼い自然卵”、牛乳は、京都の“美山牛乳”を使用。ほどよい甘さと柔らかさを持つ黒豆がケーキの美味しさをさらに引き立てます。
●五感オリジナル生ケーキ
ショーケースには四季折々に彩られたこだわりの生ケーキが並びます。旬のフルーツならではの瑞々しさと素材本位の純粋な味わいが楽しめるケーキは北浜散策のお土産にもピッタリ。
●イートインならテイクアウト価格で盛り合わせサービス
2階のサロンでケーキを注文すると、アレンジされた盛り合わせをテイクアウト価格でいただけます。また、コーヒー、紅茶はポットサービスで提供。優雅な空間でたっぷり、ゆっくり味わえます。
●ランチメニューのご紹介
地粉を使ったクロワッサンとブリオッシュ、京都・美山から届けられる自然栽培の野菜など、大地の恵みをふんだんに使ったランチセット。好きなドリンク(有機栽培のコーヒーまたは紅茶等)とセットでいただけます。
※・・・メニュー・価格は、2010年10月現在のものです。
バレンタイン・シーズン到来! 今回は、中之島の北岸に位置する福島・堂島エリアで見つけたパティスリーのチョコレートをご紹介します。
ほたるまちのオープンで洗練された街のイメージがある福島エリアは、その一方でレトロな風情漂う下町の顔も持っています。中之島から堂島川にかかる玉江橋をわたって北へ歩くと、迷路のように伸びる細い路地。そんな街並みに溶け込むように佇んでいるのが、オーナーシェフ水原さんが切り盛りする「パティスリー チャウチャウ」です。
2008年のオープン以来、ご近所さんや近隣に勤める人などさまざまな人が訪れ、福島のスウィーツショップとして着実に成長している同店。大阪弁の“ちゃうちゃう”を冠したユニークな店名は、前オーナーの「大阪の人々に愛されるお店になりたい」という願いが込められています。
チャウチャウのバレンタイン・スウィーツはガトーショコラ系ケーキとトリュフチョコが中心。同じガトーショコラをベースにしたものでも「ガトークラシック」は家族みんなで楽しめるスウィーツ、シンプルな味わいの「ハートのクラシック」は男性にプレゼントしてほしいスウィーツとコンセプトが異なっています。
また、くまの顔がモチーフの「チョコくまン」も、バレンタインにピッタリのケーキ。つぶらな瞳も愛らしく、子どもたちが大喜びしそうなケーキですが、意外にも大人へのギフトとして購入する方が多いとか。おひとり様サイズの「ミニチョコくまン」(写真左下・360円)はマイチョコにどうぞ。ケーキからもほのぼのとした水原さんの人柄が伝わってくるチャウチャウ、ぜひ訪れてみてください。
ガトークラシック1,800円ガトーショコラに生クリーム・イチゴ・ラズベリーソースをのせたバレンタイン限定品。ベルギー産のハーフビターチョコを使ってほろ苦く仕上げています。4号サイズ。
チョコくまン1,800円 チョコ生地にベルギー産ミルクチョコをデコレーションした、チャウチャウの看板スウィーツ。中にはスライスしたイチゴが入っています。4号サイズ。
ハートのクラシック1,200円濃厚なチョコをふんだんに使い、しっとり焼き上げたガトークラシック。チャウチャウのキャラクター「アヒル」が描かれています。
トリュフアソート(6個)1,200円バニラ、コーヒー、アールグレー、ココナッツ、フランボア(木イチゴ)などバラエティ豊かな味を詰合せ。4個入り(800円)、2個入り(400円)もあり。
(※メニューは2010年2月現在のものです)
(※価格は、全て税込です)
大阪・帝塚山マダム御用達の有名パティスリー「ポアール」。ANAクラウンプラザホテル大阪の裏手に建つ「ポアール・ド・ジュネス」は、その直営店として1990年にオープンしました。
大阪屈指のオフィス街であり繁華街でもある堂島。「ポアール・ド・ジュネス」の客層も、平日は北新地で働く人々、休日は観光客と、日によってガラリと変わるそうです。10個、20個とまとめ買いする人が多いのも、この界隈のお店ならでは。販売スペース奥にはカフェも併設され、優雅なティータイムを過ごすことができます。
フランス、スイス、ベルギーなどヨーロッパ産のクーベルチュール(主に製菓用に使われるチョコレートの一種)と見た目も美しいデザインでオリジナリティあふれるチョコレートを生み出すポアール・ド・ジュネス。バレンタイン・シーズンの今は、定番人気の生チョコやトリュフに加え、ピアノにバイオリン、シャンパンボトル、ジュエリーボックスなど見た目も華やかなチョコレートが店頭に並びます。余すところなく食べられるというこれらは、まさにショコラ・アートという言葉がピッタリ。ポアール・ド・ジュネスで普通とはちょっと違うチョコレートを探してみませんか?
トリュフ・ショコラ
(10個)2,625円 ショコラ・シャンパーニュやグランマルニエなどヨーロッパの伝統を丹念に再現したポアールの定番。2個(630円)~20個(5,250円)入りまで幅広い価格帯も魅力。
コキール 3,150円 イルカの乗った貝殻の中にトリュフ(4個)と小さな貝殻チョコ(3個)入り。イルカも大きな貝殻もすべて食べられます。
ミニピアノ3,675円 鍵盤を細部まで再現したピアノ・チョコの中に生チョコと音符のチョコが入っています。トリュフが18個入ったビッグサイズの「グランドピアノ」(10,500円)もあり。
御抹茶トリュフ5,250円 ポアールと祇園辻利のコラボ商品。一番搾りカカオバターのみで作られたクーベルチュールに辻利最高峰の御抹茶「建都の昔」を贅沢に使ったトリュフ・ショコラ。
(※メニューは2010年2月現在のものです) (※価格は、全て税込です)
住所
大阪市北区堂島1-2-13 翁ビル1F(ANAクラウンプラザホテル北側)
スプーンですくった瞬間幸せが広がるプリンに、くるんと巻かれた形がかわいいロールケーキ・・・世代を問わずみんなが笑顔になる定番スウィーツは、ちょっとしたお土産にも、マイおやつにもピッタリ。そこで今回は中之島界隈で評判のスウィーツショップをご紹介します。
曽根崎新地の一角に佇む「堂島スウィーツ 堂島本店」は、デザートよりも親しみやすい“大阪おやつ”がコンセプトのスウィーツ専門店。1990年にフレンチレストラン「アンブラッセ」が開店し、その後「パティスリーアンブラッセ」にリニューアル、そして現在はスウィーツ専門店「堂島スウィーツ」として堂島の味を作り続けています。 お店の看板スウィーツ「堂島プリン」と「魔法のロール」は、もともとレストラン時代からデザートとして提供されていたもの。
なめらかな舌触りと天然バニラビーンズの香り豊かな堂島プリンは、「あのプリンをもう一度食べたい!」というお客さんの声で登場。ここ本店では注文を受けてからバーナーで表面をパリパリに焼いてカラメル状にした出来たてを提供しています。
魔法のロールは、ふっくら焼き上げた生地の口どけのよさが自慢のロールケーキ。お客さんの「魔法にかけられたみたいに溶けていく」という一言からこの名前がつけられました。
店内奥にはイートインコーナーを設置。販売スペースの隣には工房が併設され、窓越しにプリンの製作風景を眺めることができます。
レストランを閉店するとき「閉めんといて!」とお客さんの惜しむ声が絶えなかったとか。当時のオーナーは、今まで助けられてきた堂島とそこに集う人々に少しでも恩返しがしたいとの思いから、現在の店名とプリンに“堂島”を冠しました。お店の形は変われども、そのスピリッツは今もしっかり息づいています。
※・・・メニュー・価格は、2009年12月現在のものです。
住所
大阪市北区曽根崎新地2-4-7 酒井ビル1階
古代中南米マヤ・インカの装飾が施されたレトロ建築として人気の芝川ビル。このビルの1階に昨年オープンした「ティカール バイ カカオマス」は、大阪・玉造の人気パティスリー「ブロードハースト」がプロデュースするチョコレート専門店です。
店名の「ティカール」はグアテマラの世界遺産「ティカル遺跡」(マヤ文明最大級の都市遺跡)を、「カカオマス」は「ブロードハースト」のチョコレート・ブランドを表しています。英国人オーナー・パティシエ、ブロードハースト氏が一目ぼれしたという101号室は、同ビルの中でも特にこだわりの装飾が凝縮されたフロア。建設当時の装飾がそのまま活かされた店内のディスプレイが、ほかにはない独特の雰囲気を醸し出しています。
コーヒー豆と同様、産地の気候や土壌によって異なる風味を持つカカオ豆。近年はその個性的な豆をチョコレート作りにどう活かすかが一種のトレンドであり、作り手の腕の見せどころとなっています。
そんな現状にあって、ブロードハースト氏は独自の感性でオリジナリティあふれるチョコレートを生み出します。たとえばボンボン。ショコラティエでありパティシエである彼は、パッションフルーツ、ブラックベリー、ポルトワインなど多彩な素材を組み合わせ、まるでケーキを作るような感覚で独創的なチョコレートを創り上げます。インド料理でよく使われるカルダモンなどのスパイスを自然に取り入れたレシピも英国人シェフならではの感性でしょう。枠にとらわれない創作スタイルや、一見オーソドックスに見えて実は遊び心にあふれたチョコのデザイン一つひとつに“アート”を感じさせます。
チョコレートの歴史が長いヨーロッパでは、人々の生活にチョコが根づき、酒の肴にチョコレートをつまんだり、買い物ついでに一粒、二粒と気軽に購入します。ブロードハースト氏が日本でお菓子作りをする理由は、イギリスの美味しいお菓子を伝えたい、そして日本の人々にチョコを日常的に食べてほしいという思いから。イギリス仕込みのビビッドな感性が詰まったチョコレートは、着実に、界隈に新しい風を吹きこんでいます。
チョコレート ギフトセット
ブロードハースト氏のセンスを凝縮した詰め合わせ。イギリスで人気のファッジ、パッションフルーツ入りのフルーティーカラメルなどをパッケージ。ギネスビール入りのボンボンは英国人シェフならでは。
トリュフ ギフトセット
アフリカ、中南米(ペルー、エクアドル)など、産地の異なるカカオで作られたシンプルなトリュフをパッケージ。カカオの食べ比べにオススメ。
ボンボン
「Leatherwood」(一番手前)は、花が咲くまでに約100年かかるという樹木レザーウッドから採取したタスマニア蜂蜜のボンボン。柔らかな甘みが広がります。
(※メニュー、価格は2009年2月現在のものです)
店名
ティカール バイ カカオマス(TIKAL by Cacao en Masse)
住所
大阪市中央区伏見町3-3-3 芝川ビル 1F
淀屋橋odonaの1階西側にお店を構える「淀屋橋odona ジョエル」は、大阪・八尾市の人気パティスリー「ラ・パティスリー・ドゥ・ジョエル」の2号店。店内には、チョコレート、生ケーキ、焼き菓子など幅広い商品が並びます。スイーツの購入層といえば主に女性ですが、淀屋橋のジョエルはビジネス街という場所柄、社用の手土産として購入する背広姿の男性客も多く見られます。
オーナーシェフの木山氏は、かつて“味のプラザ”と称された大阪ホテルプラザのフレンチ・レストランやフランスの二ツ星レストランで腕を振るい、TVチャンピオン『チョコレート選手権』で優勝経験もある実力派。そんな木山氏のお菓子作りの基本は「日本人が食べて美味しいフランス菓子を作ること」、そして「日本人にしか作れないフランス菓子を作ること」にあります。
「淀屋橋のお客さんは、トレンドに敏感で新商品への反応も早いです」と木山氏。都心への出店は氏の感性を刺激し、新たな視点でのお菓子作りにつながったようです。
たとえば「シガール」(315円)というチョコレート菓子は、オフィスで働く人が気軽に食べられるよう、スティックタイプのデザインとなっています。
そのほか、バレンタイン・シーズンに向け、バラエティ豊かなチョコレート菓子が取り揃えられています。ジョエルの看板スイーツ「ショコラショコラ」は、バレンタイン・ギフトとしても、おもたせスイーツとしてもお薦め。単品のショコラも 1粒 231円~と、日常づかいしたくなるお値段です。
スタッフが気軽に試食を薦めてくれたり、天気がよい日はオープンテラス席でスイーツや飲み物が楽しめたりと、ビジネス街らしからぬほのぼのとした雰囲気を周囲にもたらしているジョエル。これからも界隈で働く人々のニーズにあったものを作りたい、と木山氏は語ります。淀屋橋で新たに歴史を刻むジョエルから、これからどんな名スイーツが生まれるか、期待せずにはいられません。
(※メニュー、価格は2009年2月現在のものです)
シガール
ショコラショコラ
板チョコ
オレンジチョコ
住所
大阪市中央区北浜4-3-1 淀屋橋odona 1F