「手ごねハンバーグ」が名物で、中之島で働くビジネスパーソンはもちろん、美術館や科学館の来場者にも大人気なお店の魅力をオーナーシェフである久保光輝さんに伺ってきました。
(トップおよび写真★は、「キッチン ルミエール」さまご提供)
■多くのお客さまが注文する、名物「手ごねハンバーグ」
-さっそくですが、久保シェフのご経歴や中之島に出店された経緯など、お教えいただけますでしょうか?
「私は宮崎の生まれで、全国展開しているホテルチェーンのレストランで働いてきました。全国のホテルを回り最終的に鳥取県のホテルで料理長を務めていたのですが、管理職のような業務が主になり会社から与えられた環境の中では、自分はもうやれることはあまりないのではないか、という気持ちが湧いてきたのです。
ちょうどその時、飲食業を展開する大阪の会社から『中之島に店を出すので、やってみないか?』というお話をいただき、大阪で働き始めたという次第です」
-オープンはいつでしょうか?
「2014年ですから、9年前ですね。来年(2024年)の2月に開店10周年を迎えます」
-開店10周年ですか、すっかり地元で愛されるお店になっているようですが、特に「手ごねハンバーグ」が名物だとか?
「そうですね。9割以上のお客さまがハンバーグをご注文されます。作り置きはせず、ご注文をいただいてから鉄板で焼き上げるので、いつでもできたての状態でお召し上がりいただけます。
ハンバーグ以外では、『ローストビーフ丼』も好評です。こちらはじっくり低温調理で旨みを出し、あっさり和風に仕上げました」
-ハンバーグ目当てで来店したら、他のメニューも・・・ということもあるのでは?
「ありますね。黒板のディナーメニューを見て『こんなメニューもあるんだ』とお気づきになり、ご注文をいただくことも多いです」
-お客さまとしては、どのような方が多いのでしょうか?
「平日のランチタイムは、近隣の会社員の方にご来店いただいています。土日祝は、美術館や科学館に来られた方がメインです。人気の高い展示の時は、外に並んでお待ちいただく日もありますね。
ディナータイムは、このマンションにお住まいの方を中心に、近隣の方が多いです。あと、出張の時は必ず来てくださるようなお客さまもおられます」
■本当に「隠れている」お店、だからこそ得られるゆったりした雰囲気
-「キッチン ルミエール」という店名とともに「中之島の隠れ家レストラン」とも名乗っておられますが、その理由は?
「ルミエールは、フランス語で『光』です。これは私の名前の『光輝』から取っています。『光に照らされ、輝く店になるように』という思いも込めて付けた店名です。
『隠れ家レストラン』というのは、本当に隠れているからなんですよ(笑)
ここは表通りから少し引っ込んだ場所にあり、飲食店としての立地は決してよくないです。ここに用事がある人でないと通らないので、フラッと来た人には見つけにくいです。だから『隠れ家』なんです」
-「隠れている」という点も含めて、店づくりで工夫されていることはありますか。
「お客さまから、『ちょっと入りづらい』『値段が高そう』といった声があったので、『落ち着いているけどカジュアル』ということをコンセプトにして、そのような雰囲気づくりを心掛けています」
-まさに隠れ家的というか、静かでゆったりできそうな雰囲気を持つお店です。
「カウンター6席、テーブル3席というオープンキッチンのアットホームな店内ですし、特に夜はスタッフとおしゃべりを楽しみながら、ゆったりとお過ごしになるお客さまも多いです」
-夜などはアラカルトメニューをアテにビールやワインをいただく、ちょっと居酒屋的な使い方でも良いのでしょうか?
「もちろんです。会社帰りの1杯も、大歓迎です。メニューも『ちょっとおしゃれな居酒屋メニュー』のようなものを考えています。
最近はお酒を飲まない方も多く、食事だけをご希望のお客さまへのお得なセットメニューも用意しております。『コースでディナー』というだけではなく、気軽にお使いいただけたらうれしいですね」
■これから大きく発展していく中之島の様子に、確かな手ごたえ
-新しいメニューなど、何か考案されているのでしょうか?
「これから(取材時2023年10月)は寒い季節を迎えますので、当店の定番メニューでもあるチーズフォンデュやオニオングラタンスープなど冬の特別メニューも、ご提供したいと考えています。これはたぶん、大阪でもトップクラスの味ではないかと自負しています(笑)」
-久保シェフは「キッチン ルミエール」を、これからどんなお店にしていきたいですか?
「今までもそうですが、これからもお客さまとの関係性を大切にしながら、続けていきたいと思っています。可能なら、もう1店舗か2店舗、同じような店を出し、どこへいっても『キッチン ルミエール』の美味しいハンバーグが食べていただけるようにしたいですね」
-さて、縁あってこの大阪、中之島でお店をやっておられるわけですが、中之島にどのような印象をお持ちでしょうか。
「いいところですよね。緑も多くて、都心部なのにとても静かです。人通りがあまり多くないのが、お店としてはツラいですが(笑)。
ちょっと文化的な香りもする地域で、それも魅力です。大阪中之島美術館ができたことで、お客さまも増えてきました。将来的にも楽しみですね」
-中之島4丁目では、さまざまな開発が相次いで進んでいます。
「大阪中之島美術館の次に病院(仮称:中之島4丁目未来医療国際拠点整備事業)ができ、さらに『なにわ筋線』の駅(仮称:中之島駅)もできます。将来的に期待できる地域になってきましたね」
-最後に「中之島スタイル」をご覧の方にメッセージを。
「美術館にお越しになった際など中之島に来られた時は、ぜひ覗いてみてください。カジュアルなお店ですのでお気軽に立ち寄っていただけたらと思います」
以前、大阪中之島美術館を取材した帰り、前を通った時にとても気になっていたお店でした。その時は、ちょっと高そうなお店かなと思ってしまいました。でも今回の取材で、とってもリーズナブルでいい雰囲気のお店であることがわかりました。
久保シェフも気さくな方で、今度は夜に客として、ぜひ行ってみたいと思いました。
キッチン ルミエール | |
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住所 | 〒530-0005 大阪市北区中之島4丁目3-20 N4タワー1F |
TEL |
06-6449-9600 ※ランチタイムのご予約はお受けしておりません。 |
営業時間 |
●ランチ 平日11:30~14:30(14:00L.O)/土日祝11:00~15:30(15:00L.O) ●ディナー 18:00~22:00(21:30L.O) |
定休日 | 月曜日(祝日の場合営業、翌日休み)/第二水曜日 |
アクセス |
〇京阪中之島線 渡辺橋駅下車 徒歩約7分 〇大阪メトロ四ツ橋線 肥後橋駅下車 徒歩約10分 〇阪神本線 福島駅下車 徒歩約10分 |
URL | https://kitchen-lumiere.com/ |