「天井から音が降り注ぐ」。音響の良さをそう例えられる中之島フェスティバルタワーの「フェスティバルホール」の内覧ツアーに同行しました。大阪市が始めた「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」のプレイベントとして初めて企画。抽選で選ばれた市民ら約20人とともに約1時間、ホール内を巡りました。
圧巻だったのは、舞台に上がって客席を眺めたとき。1～3階にある計2700の客席が目の前に迫ってくようで、ここに立てば「誰でもスーパースターだ」。そんな気分になれる場所でした。壁面に張り出した凸凹は、良い音響にするために考えた構造といい、舞台で話した声がスピーカーなしで3階奥の客席まで届くのには驚かされました。そして、舞台裏にある大小様々な楽屋、歴代演奏者・団体の写真が掲げられた廊下など、普段入れない場所を回りました。参加者がツアー後、ホール客席で実際に音楽を聴けば、きっと深い感慨にひたれることでしょう。ただ、内覧ツアーは公演の空き時間が少なくてなかなかできません。少しずつでも増やしていき、ホールの魅力や音楽のおもしろさを再発見してもらえる機会になればと思います。
