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■そばをすすって遠くを思う
平成178

そばをすすって遠くを思う
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今回は少し目的があって中之島を歩きました。
このコラムを始めて数ヶ月、自然と中之島の情報が目に留るようになり、 「今度はここへ行ってみよう!」と思うことが多くなります。

今回おじゃましたのは、バラ園がのぞめる北浜のおそば屋さんです。

店の北側全面に開かれた窓と、そこから見える土佐堀川とばらぞの橋がガラス張りになった一角に映り込んでいて、とてもゆったりとした空間に感じられます。
杉の燻製で作られた店内は全部で12席、アットホームな雰囲気にとても心が和みます。
spacespace 夜のおすすめコース
夜のおすすめ、1,500円のコース。
普段は一品一品順番に出てくるのですが、無理を言って写真を撮らせてもらいました。
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色とりどり。器の数々
今も現役。明治中頃、
ひいひいおじいさんの忠治郎さんがお店で使っていた器。


そば前の料理。

綺麗に盛り付けられたそば前の料理。

space 店の前にくると、その壁にいくつか写真が貼ってあり、そのひとつに古い町並みと和服の美女が写されていました。
その下には、“明治30年頃の建物(淡路屋のおかみ タネさん)”と書かれています。
この場所で、こんなふうに人々が生活していたのかと思うととてもわくわくした気持ちになりました。

店内には“そば雑学”と書かれた手書きの冊子、また“天満人”という雑誌などが置いてあり、この土地やそばへの思い入れが感じられます。

待っている間に、奥さんが色とりどりの器をいくつか取り出して見せてくださいました。

「昔ひいひいおじいさんがここでお店をやっていて、その当時に使っていたものなんですよ。当時は船着場があって、そこからお魚を仕入れて、料理したのを盛り付けていたんじゃないかしら。」
ということは、写真の美女はそのおかみさんなのでしょうか。

話しているうちに、そばがきの茶巾しぼりや今日の一品など、とても美味しそうに盛り付けられた料理が出てきました。
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「これはさやえんどうですか?」
「いいえ、それは私の田舎ではほたか豆とよんでるんですけど・・・。兄が無農薬で栽培しているのを送ってもらったものです。」
奥さんは信州のご出身らしく、そのお話に広く清々しい信州の光景が思い浮かび、そのきれいな緑の豆が一際美味しく感じられます。

ご主人もそのまた昔、信州に行ったときに知人にごちそうになったそばの味に魅了されたのが、そば屋を始めたきっかけと伺いました。

「朝早く、ラジオを聞きながらお昼の定食用のそばを打って、また昼から夜の分のそばを打つ。けっこう体力的にキツイですよ。」
手打ちなだけに、作れる量にも限りがあるとのこと。

料理は他に、鮎の開き一夜干しやとうふ田楽、揚げそばなど。

そばがきの茶巾しぼりの食感とゆずの風味、とうふ田楽のしっかりとした豆の味、あげそばのほんのりとした甘さ・・・。
素材の味がしっかりしていてとても美味しく、自然な食べものから元気をもらった気がしました。

お豆腐やごま、お味噌など、素材の多くは天神さん(大阪天満宮)近くの老舗のお店から仕入れているとのこと。
「そば屋をやっていて、そういった土地や人とのつながりができたのが一番うれしい。」
そう おふたりはおっしゃっていました。

そして、メインの“そば切り”。
よく目にするそばよりも少しごつっとした印象だけど透明感があり、口に入れた瞬間にふわっと甘い香りが広がります。
space 淡路屋のおかみ たねさん

古い町並みの何気ない写真に
とても心躍るのでした。


てる坊 入り口

この奥のとびらを開くと、
とても開放的な空間が広がっていました。
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「お昼は、定食のごはんと一緒に出すので、するっと喉を通りやすいように、夜とは違う配合でそばを打つんです。」
そういって、お昼用のおそばも試食させてもらいました。その違いは一目瞭然。さらっと食べやすいおそばで、見た目も食感も違います。

そば粉にもいろいろな種類があって、荒く挽いたものからさらさらしたもの、色の濃いもの薄いもの・・・。何種類も実物を見せてもらいました。
今日のおそばは、荒い玄挽きを8、さらっとした引きぐるみを2、そのうえにつなぎを2の割り合いで打ったものだそうで、
二八そばとはよく耳にしますが、この配合は「外二八」と呼ぶそうです。

ここでご主人に美味しいそばの食べ方を教わりました。
「そばを5本ほどよって、その上に辛味大根のおろしを少しのせて、そばの3分の1ぐらいをつゆにつけてずるずるっとすする。この食べ方がうまい。」
きりっとした辛味大根の風味が一瞬で広がってほんとに美味しい!

暮れかかった窓の外に、土佐堀川を遊覧する水上バスがするりと横切ります。
ベン・E・キング、シュープリームスなど60年代の音楽が流れる中、そばをすすりつつ、天神さんの町や明治30年の町並み、信州の広い土地に思いを巡らすのでした。

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昼のそばと夜のそば。   窓の外にはバラ園。

風味ものど越しもそば粉の配合しだい。
 
広い窓の向こうには土佐堀川とバラ園が見えます。
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そば切り てる坊
 
アクセス

大阪市中央区北浜1-1-18 忠治郎1F

tel: 06 6231 8885 fax: 06 6353 5380

営業時間
昼:11:15〜2:00 夜:6:00〜9:00

定休日
日曜日・祝日
水・土曜日の夜はご予約のみ

 

アクセス

 

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